弾きたい気持ちを育てるには?

こんにちは。
小原ピアノ教室の小原です。

今日は、小学1年生のCちゃんのことを書きたいと思います。

Cちゃんは、お姉さんのSちゃんと仲良く通ってきてくれています。

Cちゃんは自由な子です。

やりたくないことは、やりたくない。

自分の意志をはっきりと伝えられる生徒さんです。

Cちゃんが小学校に上がる少し前に、

「歌だけレッスンしたい」

と伝えてくれたことがありました。

リトミックとソルフェージュの要素を盛り込めば、歌でも基礎力を積んでいくことはできます。

Sちゃんという身近なお手本がいたこともあり、

「1、2回歌のレッスンをすれば満足して、またピアノに戻るかな……。まだ就学前だし、気持ちで動くこともよくある年齢だよね」

と考え、歌の要素だけでレッスンしてみることになりました。

振り返れば、こここそが、私が大きく初手を間違えた瞬間でした。

そんなに甘くなかった。

ピアノから気持ちが離れた子を、再びピアノに向かわせるのは簡単ではないのだと思い知らされました。

結局、2か月くらい、ピアノを弾かないけれどレッスンには通う、という状態が続いてしまいました。

時にはSちゃんにレッスン時間を譲ったり、Sちゃんにも歌やソルフェージュに参加してもらったり。

Sちゃんの力を借りて、なんとかレッスンをつないでいる状況になっていました。

このままではマズい。

将来、何も残らない。

レッスンに通うのだから、ピアノが上達するのは当たり前。

プラスαを乗せてこそ、ピアノを習って良かったと思ってもらえるのに、その当たり前すら提供できていない。

そんなモヤモヤを抱えたまま、発表会の選曲時期が来ました。

Cちゃんは出るのかな? なんて切り出そうかな……。

緊張したのを覚えています。

でも、ご両親との話し合いもあったのか、自分で「『となりのトトロ』なら弾く」と、楽譜を持ってきてくれました。

弾きたい気持ちが残っていてくれたことに、どれだけ救われたか。

Cちゃんの「弾きたい」という気持ちを消しちゃいけない。

だけど、必要なことは絶対に言うし、やる!

そう覚悟を決めて、レッスンに臨んでいました。

6歳の子どもにとって、同じことを繰り返すのは苦痛です。

間違えやすい場所、つっかえがちな場所があることは、本人も承知しています。

大人は、2、3回弾いただけではうまくいかないことを経験上分かっています。

でも、子どもは違います。

1回でできないと嫌になってしまうこともあるし、そもそも、

「つっかえることの何が悪いの?」

と思っていることもありそうです。

練習の先に、スラスラ弾ける楽しさがあること。

好き勝手に弾くことと、表現の自由は違うこと。

繰り返して身につけた技術が、次の曲で自分を助けてくれること。

こうしたことを理解できるのは、もっとずっとお姉さんになってからだと思います。

では、Cちゃんがどうしたら反復練習をしてくれるのか。

それが最大の課題でした。

ブロックが見つけてくれた突破口

その突破口が見つかった日がありました。

Cちゃんが、Sちゃんのレッスンを待っている間に遊んでいたブロックが目に留まりました。

そこで、こんなふうに声をかけてみました。

「好きな色は何色? 1回弾いたら、あっちから好きな色のブロックを1つ持ってきて、楽譜の隣に置こう」

Cちゃんはササッと1回弾いて、きれいな水色を選んで持ってきてくれました。

「じゃあ、2回目を弾いたら、違う色のブロックを持ってきて、つなげよう」

Cちゃんはその後、どんどん弾いて、ブロックをつないでいきました。

ずっとCちゃんをどう育てたらいいのか、Cちゃんに何を提供できているのかと悩んでいたので、この出来事がうれしくて写真を撮りました。

この時、たまたま気持ちが乗って、ブロックと反復練習が結びついた。

それが正解だと思います。

たまたまうまくいった方法にすぎません。ただ、ゲーム性を取り入れるという方向性は見えたかな、と。

「好き」をどう育てるか

お稽古は、学校の勉強とは違い、生活するうえで必ず必要というわけではない分野です。

だからこそ、「好き」という気持ちに支えられる部分は大きいです。

好きという気持ちを、どう育てるか……。

導入期の生徒さんの指導では、練習習慣を身につけてもらうことと並んで、難しいところだと思っています。

たぶん、Cちゃんの場合は、反復していることに気づかせないことがポイントなのだと思います。

もちろん、ゲームをすること自体が目的になってしまってはいけません。

ピアノのレッスンから逸脱しない、その塩梅を加減しながらゲーム性を取り入れることが、レッスンを組み立てる柱だと感じています。

以前、「仕事とは愛だ」と聞いたことがあります。

「自分の仕事を受け取る人がいる。

その人をどれだけ想えるかが仕事の質になる。」

この仕事は、その言葉を定期的に思い出させてくれます。

1つ考えてはトライ。

ハマればラッキー。

ダメならまた次を考えてトライしていきます。

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